逃げ上手の若君 聖地巡礼(鎌倉近辺)

週刊少年ジャンプで連載中の歴史漫画「逃げ上手の若君」にハマり、鎌倉観光してきた際の記録です。公共交通機関と己の脚を頼りに、無理なく回れるところを訪れました。

私は2日かけて龍ノ口刑場跡~銭洗弁財天&報国寺~建長寺を回りましたが、朝9時くらいに現地に着き、行先を絞れば1日で回りきれると思います。

杉本寺は作品内の印象的なシーンそのままの場所も多く、ぜひおすすめしたいスポットです。また、漫画内では軽く触れられただけでしたが、建長寺は広い境内内に見どころのあるスポットが散在しており、純粋に観光地として楽しむことが出来ました。

勝長寿院跡と東勝寺跡には建造物は残っていないので、急ぎの場合はスキップしてもいいかも。また、鎌倉大仏、鶴岡八幡宮、銭洗弁財天は鎌倉観光スポットとしてはかなりメジャーな場所なので、来訪済みの方は他の場所を優先させてもいいかもしれません。

龍ノ口刑場跡・龍口寺

第102話「家族1335」にて、若君一行が鎌倉観光の際に訪れていました。作品内では別荘を抜け出してお兄さんと木登りをした思い出の場所であり、足利尊氏と初めて会った場所として描かれています。

龍口寺・龍口刑場跡

龍口寺は日蓮宗のお寺で、江ノ電「江ノ島駅」や湘南モノレール「湘南江の島駅」から歩いてすぐです。鎌倉時代後期に日蓮が『立正安国論』で諫言をしたことが幕府の怒りに触れ、龍口寺の階段下に跡地として残る龍口刑場にて処刑されることとなりました。しかし処刑の瞬間に奇跡が起きて日蓮を斬首できなかった…という逸話が残っています。境内には日蓮が幽閉されていたご霊窟も残っています。

作中で印象的だった、若君が座っていた松は見つけられずでした。南北朝時代には腰掛けやすい松があったのかもしれないですね。知らんけど。

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長谷寺

江ノ島電鉄で「長谷駅」まで行き、長谷寺と大仏を訪れました。江ノ電に乗る際は、車窓からの海の絶景もお見逃しなく。岩松殿のようなサーファーもたくさんいました。

さて、長谷寺は第102話「家族1335」にて、若君一行が訪れた場所の一つです。1年を通じて「花の寺」として知られており、特に梅雨時の紫陽花が有名です。外国人観光客もたくさんいました。

長谷寺

拝観料400円で、緑豊かで心癒される境内を散策できます。眺望散策路からは鎌倉の街を一望できます。また、雫が絵馬を書いていたかきがら稲荷も境内にあり、300円でかきがらを購入できます。いい予感がよく当たりますように。

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鎌倉大仏

第102話「家族1335」にて若君一行が鎌倉観光の際に足を運んでいました。大仏の大きさは約11.3m!漫画関係なく有名なスポットなので、訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。

漫画だと大仏は大仏殿内に安置されており、名越軍の宿舎として活用されていました。現在、大仏が屋外にいる理由は看板に記されています。建武元年(1334)と慶安2年(1369)に大風で大仏殿が倒れ、明慶7年(1498)の海潮で流失したのを最後に露像となったそうです。建武元年の大風は作品内でも第103話「台風1335」で魅摩の仕業として描かれていますね。

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銭洗弁財天

その後は徒歩で銭洗弁財天へ向かいました。少し距離があるのと、最後の坂道の勾配がきついので、暑い日は大変かも。

第102話「家族1335」にて、若君一行が鎌倉観光で訪れていました。ここで洗った小銭を使うと、何倍にもなって返ってくると言われているそうです。鎌倉でもメジャーな観光スポットの一つですね。

銭洗弁財天宇賀福神社

小銭洗い用のザルは有料で借りることが出来ます。

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報国寺

鎌倉駅から暫く歩き、第102話「家族1335」にて、頼重が若君一行を案内したお寺です。足利家時(尊氏のおじいちゃん)を弔う寺で、彼が自害する際に「三代後の子が天下を取るように」と強く念じたと作品内では描かれています。

報国寺

漫画だとおどろおどろしいイメージでしたが、実際のお寺は鶯のさえずりが響き渡る、とても涼しげで清々しい場所でした。拝観料400円で境内を散策することができ、+600円でお抹茶をいただけます。竹の庭が観光スポットとして有名なので、ぜひ。

報国寺

境内には、漫画で描かれていたいわくありげなやぐら(横穴式の墳墓)もありました。足利家時のお墓も含まれると伝わっているそうです。

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杉本寺

第124話「力攻め1337」以降にて、北条時行&北畠顕家VS斯波家長の決戦の舞台となった場所です。

杉本寺

漫画のとおり、まっすぐと続く階段が印象的です。かなり高低差があり、頂上で泰家を吊る柱を御ぶち抜いた三十三間花飾の威力の凄まじさが窺い知れます。

頂上付近の階段は今では苔生しており、立ち入り禁止となっています(苔生しているのは、第127話「未来1337」で斯波家長が見通していた通りですね)。脇の階段から頂上まで登ることが出来ます。今この階段で一騎打ちしたら、勝敗が付く前に転んでしまいそうです。

漫画では決戦の場として複数話に渡って描かれており、一つ一つのシーンを思い返しながら階段を上ることが出来ました。今回の小旅行で最もお勧めしたいスポットです。

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勝長寿院跡

第109話「受け継ぐ1335」にて、諏訪頼重が最期を迎えた地として描かれていました。北条家への忠義を尽くし、顔の皮を剥いで亡くなった壮絶なシーンが印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

勝長寿院跡

現在、建物は残っておらず、跡地として石碑が残るのみです。源義朝らのお墓が残っていますが、諏訪頼重関連のものはありません。心の眼で見て、昔を偲ぶ必要のあるスポットです。

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東勝寺跡・北条高時腹切りやぐら

第98話「北条の平和1335」および第131話「正宗1337」にて、北条一族自害の地として紹介され、若君たちがお参りをしていました。

東勝寺跡

現在、寺院は残っておらず、国指定史跡の看板が残るのみです。原っぱの先に岩壁がそそり立っている光景は漫画と同様でした。新田義貞らの鎌倉攻めの際に寺院が消失したこと、北条高時(時行のお父さん)が一族郎党と共に自害したことが記されています。

少し先には北条高時腹切りやぐらがあり、北条氏一門の供養が続けられているそうです。落石の危険があるためやぐら付近への道は封鎖されており、写真の石碑のところまでしか行けませんでした。ところで今更になって、腹切りやぐらが心霊スポットそして有名らしいと知り、びっくりしています。当日、心霊はいませんでしたが、薄暗くて虫が出そうだったので早々に退散しました。

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鶴岡八幡宮

第97話「鎌倉1335」にて、鎌倉奪還後に若君が街を一望するシーンが印象的なスポットです。

鶴岡八幡宮

かの有名な源頼朝ゆかりの神社としてよく知られています。修学旅行などで訪れたことがある人も多いのではないでしょうか。弁財天や、それを取り囲む池も有り、しっかり観光するとなかなかボリューミーです。若君が駆け抜けた流鏑馬の馬場を撮ったつもりだけど、場所あっているかな?💦

https://www.hachimangu.or.jp/

 

建長寺

第97話「鎌倉1335」にて、長崎親子がドヤ顔で連れてってくれた寺として紹介されていました。第5代執権、北条時頼公(時行のひいひいお祖父ちゃん)が建てたお寺で、火災の被害に遭ったものの、そんなものなかったかのように修復されたようです。

鶴岡八幡宮からは、同じく「鎌倉1335」に出た巨福呂坂を上っていきます。そこそこの勾配の坂が長く続くので少しきつかったです…馬に乗れたらどんなに楽だったろうか。

建長寺

拝観料500円で、境内に入れます。敷地は広大で見どころがたくさん、長崎親子がドヤ顔になるのも納得のスポットでした。風がそよぐさわやかな庭園では蛙の声が響き渡り、心身ともにリフレッシュ出来ました。庭園を見ながらゆっくりすごせる長椅子が設置されていて、のんびり一休みしている観光客が多かったです。

建長寺の柏槇

樹齢約760年の古木もありました。北条時行の誕生が今から約700年前なので、当時からこの地に生えていたのでしょう。時行や足利尊氏もこの木を見ていたかもしれませんね!

建長寺 半僧坊

境内の奥の方には半僧坊があり、天気が良ければ富士山や相模湾を見渡すことが出来ます。あいにくこの日は曇りだったので、遠くの景色は見えませんでした…。また、階段が続き、なかなかキツイので、暑い日は熱中症にくれぐれもご注意ください。道中では天狗衆のような烏天狗の像にも注目です。

観光後は北鎌倉駅へ坂を下り、帰路につきました。

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もっと他に行きたかったところ

畠山重忠公の首塚

第97話「鎌倉1335」にて、若君の最初の鎌倉奪還時に、狩野師範・塩田師範と遠駆けに来た場所として紹介されていました。相鉄本線の鶴ヶ峰駅が近いようですが、鎌倉からはかなり離れているので断念。

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常楽寺

第97話「鎌倉1335」にて、清子に誘われ参拝に行った隠れ家的な雰囲気のお寺として紹介されていました。大船駅から徒歩15分ですが、今回は鎌倉周辺を回ったので断念。

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3回目の鎌倉奪還ではどこが描かれるのか、今から楽しみです!